メタセコイア(Metasequoia glyptostroboides)

スギ科の落葉高木。アケボノスギともいう。化石学者三木茂が 1941年に日本産の化石を規準標本として,スギ科の新属としてメタセコイア属を創設し,その化石に M. distichaと命名した。このメタセコイア属の植物は,当時絶滅したものと推定されていたが,46年に中国四川省の磨刀渓でメタセコイアの現生種が発見され,「生きている化石」として学界の注目をひいた。湿地に生えているので中国名は水杉という。小さな線形の葉を羽状に密に対生し,落葉するときはヌマスギと同様に枝ごと落ちるので一見羽状複葉のようにみえる。球果,鱗片および葉がいずれも十字対生をする点で従来のスギ科のものと異なり,挿木によって簡単にふえ,生長が速いので現在は世界各地で栽培されている。