ナリヒラヒイラギナンテン (Berberis confusa)
ヒイラギナンテンは、常緑で濃い緑色の葉、早春に長い花穂に多数つく黄色い花、初夏に熟す黒青色で粉を吹いた果実と、1年を通じて観賞できる植物です。和名は葉がナンテンのように複葉で、ヒイラギのようにとげのあることや、果実のつき方がナンテンに似ることに由来しています。庭の和洋を問わずマッチし、生け垣にも利用することができます。また、剪定によってコンパクトにまとまり、狭い場所でも楽しむことができます。
庭に植えられているのをよく見かけ、また、学名japonica(ヤポニカ:日本の)であるために、日本原産の植物と思われがちですが、じつは中国原産で江戸時代初期に渡来しました。
ヒイラギナンテンは、これまではメギ属の近縁とされながら、複葉(メギ属は単葉)で幹にとげがない(メギ属にはとげがある)点が異なるために、別属とされてきましたが、近年の研究によってメギ属に含まれることが明らかになりました。
ヒイラギナンテンの開花時、雌しべに触れると、その外側にある6本の雄しべが雌しべの方向に動く様子が観察できます。これは、花に昆虫が訪れると、自然に昆虫の体に花粉を付着させて、ほかの花へと運ばせるためだと考えられます。
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