霜降 次候 霎時施 こさめときどきふる 小雨がしとしと降る

コブシ 辛夷 (Magnolia kobus)
モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木。早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。
果実は集合果であり、にぎりこぶし状のデコボコがある。この果実の形状がコブシの名前の由来である。
高さは18m、幹の直径はおおむね60cmに達する。3月から5月にかけ、枝先に直径6-10cmの花を咲かせる。花は純白で、基部は桃色を帯びる。花弁は6枚。枝は太いが折れやすい。枝を折ると、芳香が湧出する。果実は5-10cmで、袋菓が結合してできており、所々に瘤が隆起した長楕円形の形状を成している。
アイヌ地方では「オマウクシニ」「オプケニ」と呼ばれる。それぞれ、アイヌの言葉で「良い匂いを出す木」「放屁する木」という意味を持つ。樹皮は煎じて茶の代わりや風邪薬として飲まれる。一方、北海道のコブシは「キタコブシ」と呼ばれることもある。