ヤブラン(藪蘭 Liriope muscari)
ヤブランは、日本各地の林床などで普通に見られる常緑性の多年草です。ほぼ一年中同じ草姿を保ち、性質が強く、丈夫で手のかからない植物なので、古くから緑化や造園の植栽材料として広く利用されています。耐寒性と耐暑性が強く、日なたから日陰まで幅広い環境に適応し、病害虫の被害もほとんど見られず、土質もあまり選びません。
革質の細長い葉は、しなやかで堅く、8月から10月には長い穂を伸ばして、青紫から白色の花を咲かせます。ジャノヒゲ(Ophiopogon japonicus)に似ていますが、ジャノヒゲは青紫の実がなり、ヤブランは黒い実がなるので区別できます。
ヤブラン属(Liriope属)には5種があり、日本には、ヤブラン、ヒメヤブラン(L. minor)、コヤブラン(L. spicata)の3種が自生しています。斑入りや花色の異なるものなど20ほどの園芸品種があります。最もポピュラーで栽培や流通の多いのは、明るい黄色の縦縞が入る斑入りヤブランで、‘ゴールド・バンデッド’(‘Gold Banded’)とも呼ばれます。
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