大寒 次候 水沢腹堅  さわみずこおりつめる  沢に氷が厚く張りつめる

アネモネ(Anemone coronaria)
古くから人との関わりが深く、神話や伝説にも多く登場しているアネモネ。ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域の原生地から各地への伝播には、十字軍や巡礼者が関わっています。
原生地では、比較的雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根(塊根)になって、暑く乾燥する夏を越します。日本でも、涼しくなる秋に芽を出し、春に咲いて夏前に地上部を枯らし、塊根をつくって休眠します。水はけと日当たりのよい場所に植えつけ、多肥にしないように管理すれば、何年も植えっぱなしで花が咲きます。
アネモネは、クリスマスローズ、ラナンキュラス、クレマチスなどと同じキンポウゲ科の植物で、アネモネ属は温帯から亜寒帯にかけて約100種が分布しています。そのなかにアネモネ・ホルテンシス(Anemone hortensis)、アネモネ・パボニナ(A.pavonina)、そして、これらの交雑によりできたとされているアネモネ・フルゲンス(A.×fulgens)があり、さらにフルゲンスが交雑したなかから選抜されたのが、アネモネ・コロナリア(A.coronaria)とされています。現在、園芸的には、アネモネといえば、このコロナリアを指すのが一般的です。